事 案 |
当時小学校5年生だった少年(15)が乗った自転車と歩行者との衝突事故をめぐる損害賠償訴訟。事故が起きたのは、平成20年9月22日午後6時50分ごろ、神戸市北区の住宅街の坂道。当時11歳だった少年は帰宅途中、ライトを点灯しマウンテンバイクで坂を下っていたが、知人と散歩していた女性に気づかず、正面衝突。女性は突き飛ばされる形で転倒し、頭を強打。女性は一命は取り留めたものの意識は戻らず、4年以上が過ぎた今も寝たきりの状態が続いている。女性側は、自転車の少年は高速で坂を下るなど交通ルールに反した危険な運転行為で、母親は日常的に監督義務を負っていたと主張し、計約1億590万円の損害賠償を求めた。 一方、母親側は少年が適切にハンドル操作し、母親もライトの点灯やヘルメットの着用を指導していたとして過失の相殺を主張していた。 |
結 果 |
少年が時速20~30キロで走行し、少年の前方不注視が事故の原因と認定。事故時はヘルメット未着用だったことなどを挙げ、「指導や注意が功を奏しておらず、監督義務を果たしていない」として、母親に計約9500万円の賠償を命じた。 |
内 訳 |
(1)将来の介護費約3940万円
(2)事故で得ることのできなかった逸失利益約2190万円 |
理 由 |
(1)について、女性の介護費を1日あたり8千円とし、女性の平均余命年数を掛け合わせるなどして算出。 (2)は、専業主婦の女性が入院中に家事をできなったとして月額約23万円の基礎収入を平均余命の半分の期間、得られなかったなどとして計算した。 これらに治療費などを加え、母親に対し、女性側へ約3500万円、女性に保険金を払った保険会社へ約6千万円の支払いを命じた。特に女性が意識が戻らぬままとなっていることで、慰謝料などが高額となり、賠償額が跳ね上がった。 |
出 典 |
産経新聞
7月13日(土)13時10分配信 |
交通事故被害に関するご相談で弁護士をお探しなら、東京都墨田区錦糸町・押上 アライアンス法律事務所までお気軽にご相談ください。代表弁護士 小川敦也