事件名 |
平成13(ワ)4280損害賠償請求事件 |
判 旨1:症状固定前の付添看護費336万円 |
上記認定事実並びに甲第6,8,11,12,31号証及び弁論の全趣旨によると,原告は完全介護の病院で入院したことが認められる一方で,原告の受傷は,重傷の頚椎損傷であり,本件事故直後椎弓切除の手術を行ったものの,藤田病院入院中である平成11年10月ころ,「退院見込み未定,治ゆ後の後遺障害有り,四肢完全麻痺」との診断が,平成12年2月ころに至っても,「治ゆ後の後遺障害有り,四肢麻痺」との診断がなされていたこと,症状固定時に至ってもその症状は,重度の不全四肢麻痺,実用的な歩行不能,上肢筋力4レベルであるが手指機能全廃,上下肢ともに痙性強く,深部腱反射は著名な亢進のほか,神経因性膀胱が残存していたことから症状固定前の症状はかなりの介護が必要であったことが窺われること,原告の妻は,原告の娘に時には交代してもらいながら本件事故以来,原告の入院中は毎日通院し,退院後は自宅において原告の介護を行ったこと,その間の介護内容は,原告の食事,着替え,排泄,入浴,車イスへの移乗,体位交換等日常生活全般に及び,現在は,週5回のリハビリテーション治療を受けるため通院時の移動等にまで及んでいることが認められ,これらの事実によると,原告が本件事故により入院を開始した平成1 1年7月22日から症状固定日である平成13年1月31日までの入院期間中,原告の妻ら近親者は少なくとも上記介護内容と同程度の介護を行う必要があったことが認められる。 以上によれば,上記期間(560日間)の付添は本件事故と相当因果関係を有する損害であると認められ,その付添費用は1日当たり6000円が相当である。 計算式 6,000×560=3,360,000 |
判 旨2:将来の付添看護費2807万7990円 |
前記2で認定した原告の症状及び甲第2,6ないし9,12ないし14,28,30,31号証,第32号証の1ないし3並びに弁論の全趣旨によれば,原告が症状固定後の現在も全介助を必要とする状態にあること,原告は,平成13年1月31日に市リハビリセンターを退院して以降,原告の妻や娘による看護を受けていたことが認められ,これらの事実を考慮すると,原告は,症状固定後平均余命までは付添看護が必要であると認められ,その付添看護費用は1日当たり6000円と認めるのが相当である。 原告の余命年数については,甲第1,6号証及び第11号証によれば,本件事故時において原告は58歳,症状固定時は満60歳であり,原告の症状固定時である平成12年の簡易生命表によれば60歳の男子平均余命は21年であると認めるのが相当である。 そこで,ライプニッツ方式により年5分の割合の中間利息を控除して将来の付添看護費用の現価を求めると以下のとおり2807万7990円となる。 計算式 6,000×365×12.821=28,077,990 |
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