高次脳機能傷害と将来の付添看護費用
高次脳機能障害など重度後遺障害の場合(基本的には1級,2級の場合。3級以下であっても見守りとしての介護費が認められる可能性があります。)には,将来の付添看護費用が認められます。認められる期間は,原則として平均余命までの間です。認められる金額は被害者の後遺障害の程度・内容によって異なりますが,大よそ以下のようになります。
職業 付添人 |
実費全額(必要かつ相当な範囲で) |
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近親 付添人 |
常時 介護 |
1日あたり8000円程度 |
随時 介護 |
介護の必要性の程度・内容に応じて相当な額 |
金額の幅が大きい項目ですので,「必要な介護の内容」などについて具体的に証明をすることがポイントとなります。
2級3号 (併合1級) |
高次脳機能傷害(2級3号)等(併合1級)の被害者(女・固定時61歳)につき,身体的介護が随時必要で就寝中はほぼ常時看視や声掛けが必要であるとして,夫67歳までは1年365日のうち平日240日は職業付添人8時間分(1万3600円)と近親者補完分(2000円)で日額1万5600円,土日祝日125日は近親者日額8000円,以降は職業付添人日額1万7000円,合計8521万円余りを認めた(千葉地裁平成18年4月11日) |
3級でも介護費 (看視費用)を認めた事案 |
高次脳機能傷害(3級)の被害者(男・固定時25歳)につき,常時の付添までは必要ないが,定期的な看視のために近親者が常時自宅に待機していなくてはならないとして,日額6000円を認めた(東京八王子支判平成14年7月4日) |