高まる高齢者の事故率
平成23年は、交通事故による死者数が、4,611人で、11年連続の減少となりました。また、発生件数及び負傷者数も7年連続して減少し、発生件数は平成4年以来19年振りに70万件を下回りました。この背景には,シートベルト着用者率の向上、取締の強化等があります。しかしながら、交通事故死者数に占める65歳以上の高齢者の比率が依然として高く、いまだ飲酒運転等の悪質違反に起因する交通事故によって多くの尊い命が犠牲となるなど、交通事故情勢は依然厳しいものがあります。
自賠法実務上における高齢者事故の特徴
損害賠償実務において,高齢者であることのみを理由として,直ちに特別扱いをすることはできません。しかし,高齢者には加齢からくる諸事情,たとえば,健康面,体力面で劣っていること,既往症等を有していることが多いこと等は否定できません。こういった事情の存在をどう評価するかで争いになることが少なくありません。