1.請求書提出
請求者は、損害保険会社(組合)へ自賠責保険(共済)の請求書類を提出します。
2.損害調査依頼
損害保険会社(組合)では、請求者から提出された自賠責保険(共済)の請求書類を確認して、損害保険料率算出機構(以下「損保料率機構」といいます。)の調査事務所に送付します。
3.損害調査
調査事務所においては、事故の発生状況、支払いの適確性(自賠責保険(共済)の対象となる事故かどうか、また、傷害と事故の因果関係など)及び発生した損害額などを公正かつ中立の立場で調査をします。
4.損害報告
損保料率機構調査事務所は、損害保険会社(組合)に調査結果を報告します。
5.保険金(共済金)支払
損害保険会社(組合)は、支払額を決定し、請求者に自賠責保険金(共済金)を支払います。(JA共済連(全国共済農業協同組合連合会)については、事故の損害調査に損保料率機構を利用していませんが、同様に調査・審査を実施しています)。
6.保険金(共済金)受取
以上のような流れで、保険金(共済金)を受け取ることができます。
1 本請求
本請求は被害者の損害が一応確定した後に行う請求です。この請求をしても示談が成立するわけではありません。自賠責保険の支払額が損害に満たない場合には、差額を保管会社ないし加害者に請求することになります。自賠責保険の保険会社は事故証明書に記載されています。
2 仮渡金請求
迅速に損害賠償を受けられる制度として、傷害の程度に応じて5万円から290万円の範囲で損害賠償の一部を支払う仮渡金請求という制度があります。この請求は、事故証明書等の最低限の書類で請求をすることができます。
死亡事故 |
290万 |
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傷害事故 |
次の傷害を受けた者 ・脊髄損傷 ・上腕、前腕骨折で合併症あり ・大腿、下腿骨折 ・内臓破裂で腹膜炎併発 ・14日以上病院に入院で30日以上 医師の治療を要するもの |
40万
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次の傷害を受けた者 ・脊柱の骨折 ・上腕、前腕の骨折 ・内臓破裂 ・入院を要する傷害で、30日以上の医師の治療を要するもの ・14日以上の入院を要する傷害 |
20万 |
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11日以上の医師の治療を要する傷害 を受けた者 |
5万 |
3 内払い請求
内払制度とは、保険会社がサービスとして自発的に始めたもので、傷害による損害について、被害者が治療継続中のために総損害額が確定しないときにでも、既に発生した損害額について被保険者あるいは被害者から保険金あるいは損害賠償額の内払いの請求があったときに支払われるというものです。しかし、この制度の利用率は低く、また、損害が確定したごとに本請求をすれば足りることから、平成20年10月1日より廃止されました。
4 被害者請求手続き
加害者請求による場合には、示談が成立しない場合や被保険者が損害賠償金を支払わない場合には保険会社に対して保険金の請求ができないので、このような被保険者の都合などで被害者がいつまでも損害賠償金を受け取れないことになってしまいます。そこで、自賠責保険においては、保有者に損害賠償責任が発生した場合、被害者が、直接保険会社に対して、損害賠償「額」の支払を請求することができ,保険金額の限度で支払われます。
被害者請求は、被害者自身が自賠責の調査事務所の求めに応じて様々な手続きをしなければならないので、手続きが煩雑になるというデメリットがあります。しかし,通常は保険会社との示談が成立しなければ後遺障害の賠償金が支払われないのに対し、被害者請求であれば後遺障害の等級に応じ、自賠責の限度額で賠償金の支払いを受けることができます。また、通常は、任意保険会社は加害者側の立場から事前認定を行うので、等級認定の結果が不本意なものとなりかねませんが,被害者請求であれば、透明性の高い手続きが期待できます。