発生時期が異なる二つの交通事故により、同じ部位を受傷した場合を「異時共同不法行為」といいます。例えば、追突事故に遭い、頚椎捻挫の治療中に、違う車に追突されて、首の痛みが悪化した というようなケースです。
1回目の事故で治療中に2回目の事故に遭った場合をいいますので、1回目の事故のけがは既に「治癒」または「症状固定」となった後で、2回目の事故に遭った場合は「異議共同不法行為」にはあてはまりません。
自賠責実務においては、被害者の救済と簡単な処理という観点からの、独自の扱いがなされています。
2度目の交通事故受傷した時点で、1度目の傷害部分の請求は完了します。その後の損害賠償は2回目の事故の加害者(保険会社)が引き継ぐことになります。 寄与度による分担はしません。
2つの事故で1つの後遺障害等級が認定されます。後遺障害部分については、1回目の事故と2回目の事故、両方の自賠責保険へ請求可能です。異時共同不法行為が認定されて、後遺障害等級が認定されれば、(1回目と2回目の事故の相手方の自賠責保険)両方の保険金が支払われますので、14級の認定ならば、75万円×2=150万円の支払となります(賠償額が倍になるのではなく、限度額が倍になります)。